太陽光発電に適した屋根とは?形状・材質・方角・勾配の違いを解説!

公開日:2023/07/15   最終更新日:2024/04/15

住宅用太陽光発電パネルのほとんどが屋根に設置されます。そうなると気になるのが、自宅の屋根が発電に向いているかどうかではないでしょうか。発電量は屋根の形の影響を大きく受けます。いったいどのような屋根が適しているのでしょうか。今回は太陽光発電に適した屋根の形状や材質、方角、勾配(こうばい)などについてまとめます。
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発電量に影響を与える条件

太陽光発電は3つの条件の影響を受けます。

日射強度

日射強度とは地表に到着する太陽光の強さのこと。晴れているときほど日射強度は増します。日射強度が強いほど発電量が大きくなるのです

日照時間

日照時間は地域によって異なっており、年間日照時間が長いほど有利になります。2020年の全国平均は約1,969時間で、これを上回る地域のほうが有利といえます。

ちなみに1位は高知県の2,310時間、2位は山梨県の2,250時間、3位は静岡県の2,245時間です。太平洋側や瀬戸内海沿岸、内陸部に位置する地域で日照時間が長いことがわかります。

パネルの温度

パネルは温度が上昇すると電圧が低下し、発電効率も低下してしまいます。したがって、暑すぎる地域は太陽光発電に不向きです

その反対に北国の場合は、温度よりも積雪対策が重要となります。地域の自然条件を見極めたうえで、設置するべきか否か決定したほうがよいでしょう。

屋根の形状によって太陽光発電の設置方法が変わる

同じ地域でパネルを設置しても、屋根の形状によって発電効率が変わります。屋根の形状は大きく分けて6つに大別できます。

切妻屋根

切妻屋根は2枚の正方形、または長方形からなる屋根のことです。三角屋根の家をイメージするとよいでしょう。面積が比較的広く、2方向にパネルを設置できます。

片流れ屋根

片流れ屋根は1枚の長方形や正方形でできた屋根のことです。面積が広く、太陽光パネルを数多く設置できます。

寄棟屋根・方形屋根

寄棟屋根や方形屋根は、台形と三角形を2枚ずつ寄せて作る屋根のことです。切妻屋根と比べると、面と面が接する場所が多いため、設置数が限られます。

また、設置する際のコストも高くつきがちです。ただ、4方向にパネルを設置できるため、小型パネルを用いるとまんべんなく発電できるという長所もあります。

陸屋根(平屋根)

陸屋根は別名の平屋根があらわすように、平らな形状です。設置方向をあまり考えなくてもよいですが、雨漏り対策を厳重に行わなければならず、コストがかさみます。

無落雪屋根

無落雪屋根は雪国に多く、屋根の中心部分が少しくぼみ、落雪を防ぐ構造です。こちらも、雨漏り対策が重要となります。

屋根の材質によって太陽光発電の設置が難しい

太陽光発電は、屋根の材質によって設置できないものがあります。

金属を固定できないことから、住宅用波型スレートや茅葺などの草木系素材などには設置できません

銅板葺(どうはんぶき)の場合は、架台と屋根の接触部分が腐食しやすいため、こちらも設置不可です

自宅の屋根が太陽光発電を設置できるかどうか、事前の打ち合わせで確認しておきましょう。

屋根の方角によって太陽光発電の発電量が変わる

方角によっても太陽光発電の発電量が変化します。もっとも向いているのは南向きで、それに次ぐのが西向きと東向きで、両者はほぼ同じくらいです。

南向きの発電量を100%とすると西向き・東向きは82%前後となります。北向きの場合、発電量が50%程度まで落ち込むため、設置しないほうが無難です。

屋根の勾配によって太陽光発電の角度の調整が必要

屋根の勾配によっても発電量は影響を受けます。勾配とは傾き・角度のことです。太陽光発電パネルの角度は30度が理想

ただし、角度は緯度によって変化し、低緯度の沖縄県では約17度、高緯度の北海道では35度が望ましいとされます

太陽光発電を設置しようとしている地域にあわせて勾配を調整する必要があるのです。

太陽光パネル設置時の注意点

太陽光パネルを設置する際は、屋根が太陽光発電設備の重量に耐えられるかどうか、雨漏りや排水対策がなされているかどうか、雪害や塩害を想定しているかどうかなど、形・方角・材質・勾配以外にもチェックポイントがあるので、設置前に依頼する事業者と綿密に打ち合わせしたほうがよいでしょう。

まとめ

今回は太陽光発電に適した屋根についてまとめました。日射強度や日照時間といった条件が同じである場合、屋根の形は発電量に大きな影響をおよぼします。切妻屋根や片流れ屋根など設置面積が広い場合、太陽光発電に有利だといえます。方向はできれば南向き、東向きや西向きでも設置に不向きということはありませんが、北向きは避けましょう。加えて、設置工事の際は雨漏り対策や重量対策などもしっかり行わなければなりません。設置業者と綿密に打ち合わせし、後悔のない太陽光発電導入を目指したいものです。

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