太陽光発電におけるパワーコンディショナーの役割について学ぼう!

公開日:2021/10/01   最終更新日:2021/10/05


太陽光発電で発電した電気を家の中で使ったり電力会社へ売電したりするときには、パワーコンディショナーという機械が必須です。あまり聞き慣れない機械だと思いますが、大事な働きをしてくれます。今回の記事ではそんなパワーコンディショナーを取り上げて、役割や太陽光発電設置の際に知っておきたいことをまとめました。

太陽光発電におけるパワーコンディショナーの役割

太陽光発電を行うにあたってパワーコンディショナーは必須の機械です。これがないと太陽光発電で発電した電気を電力会社へ売電することはおろか、家の中で利用することすらできません。では、パワーコンディショナーはどんな役割を担っているのでしょうか。それには、電気の流れ方を知っておく必要があります。

電気の流れ方には、「直流」と「交流」があります。電気には流れる方向がありますが、これが一定なのが直流で、一定のタイミングで入れ替わるのが交流です。直流電流の身近な例は乾電池です。プラスとマイナスがあって、常に一定に流れていますね。

一方、交流電流の身近な例はコンセントから流れてくる電力会社から買っている電気の電流です。実は、1秒間に東日本エリアでは50回、西日本エリアでは60回もプラスとマイナスが入れ替わっています。これは、発電機の発電方式によって生じるものなのですが、ひとまず電力会社の送電線を流れている電気はプラスとマイナスが常に入れ替わっている交流だということを覚えておいてください。

ここで、太陽光発電によって発電した電流はどちらだと思いますか。実は直流なのです。太陽電池モジュールが太陽の光を受けると、中を一定の方向に電気が流れようとします。これに回路を繋いで、流れようとする電気を利用できるようにしたのが太陽光発電です。

そして、この太陽光発電の直流電流を家の中で使えるようにしたり、電力会社へ売電したりできるように交流へ変換するのがパワーコンディショナーの大きな役割の一つです。

他にもパワーコンディショナーには役割があり、もう一つの代表的なものとして「系統連系保護機能」というものがあります。これは太陽光発電で何か問題が生じた時に電力会社の送電線網に影響を与えないように回路を遮断するようなこともしています。いずれにしても、パワーコンディショナーがないと太陽光発電が成り立ちません。少しパワーコンディショナーのことが具体的に見えてきたでしょうか。

パワーコンディショナーの耐用年数はどれくらい?

パワーコンディショナーの耐用年数は、一般的には10年前後といわれています。太陽電池モジュールの寿命が20年といわれているので、1回、太陽光発電を設置すると、システムの生涯で2台のパワーコンディショナーを使うことになります。太陽電池モジュールと違って、高圧の電気を扱ういろいろな機材が詰まっており、熱を帯びることもあるのでファンのような動く部品も備わっています。

もちろん定期点検の中で不具合が見つかれば部品ごとの交換も行いますが、パワーコンディショナーは、先ほども説明したように、太陽光発電の中でも重要な役割を担っている機械で、動かなくなってから交換するのでは大変なことになるので、耐用年数が来たら交換を考える必要があります。「10年」というのは、その目安と考えてください。

パワーコンディショナーを選ぶ際に意識するべきポイント

パワーコンディショナーは、太陽光発電を設置する際に設計と共に仕様が決定するので、あまり選択の余地はないですが、どんなところがポイントになるか簡単に見ておきます。

まず、最大定格出力です。これはパワーコンディショナーの能力を決めるものなので、設置する太陽電池モジュールの量によって必要な出力が決まってしまいます。必要な出力が出せるモデルの中から候補を選ぶという形になります。そうした候補の中から、変換効率や保証内容を設置費用と天秤に掛けて選んでいくようになります。

また、設置に要するスペースも選択の判断材料になります。住宅用であれば、スペースが限られている場合があるので、物理的に設置できる大きさかどうかという問題も出てきます。

そうしたことを総合的に勘案して選ぶようになります。基本的には、太陽光発電の設置を業者に依頼すると、そういったパワーコンディショナーの選択もしてくれるはずですが、こちらとしても知っておくと、いろいろ相談や議論ができてよいと思います。

まとめ

今回は、太陽光発電の中で重要な役割を担うパワーコンディショナーについてまとめました。パワーコンディショナーは、直流で流れてくる太陽電池モジュールからの電流を交流に変換して、家の中で利用できるようにするという役割があります。そして、パワーコンディショナーにも耐用年数があり、10年を目安に交換する必要があることも触れました。これらを知っていると、太陽光発電を設置するときにも話がしやすいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

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