太陽光発電と蓄電池を組み合わせて使用するメリット・デメリット!

公開日:2021/10/01   最終更新日:2021/10/05


最近では、太陽光発電システムの中に蓄電池を組み込んで設置する例が見られるようになりました。蓄電池とは充電して使える大きな容量の電池のことです。太陽光発電に蓄電池を組み合わせることで、太陽光発電だけの時と比べてメリットが増えることがある一方でデメリットも生じるのですが、今回はそれらについてまとめました。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせて使用するメリット

太陽光発電と蓄電池を組み合わせると何がよいのでしょうか。そのメリットは、大きく2つあります。

一つは、太陽光発電で昼間に発電して余った電気を夜や雨の日に使うことができることです。太陽光発電は基本的に晴れた日の昼間にしか発電できません。したがって、太陽光発電システムを設置しても、その電気を使える時間帯は限られます。そこで、蓄電池を一緒に置いておいてつなげることで、昼間の発電で余った電気を蓄えておき、日が出ていない夜の時間帯や雨や曇りの日に使うことができるようになります。

そして、もう一つのメリットは、災害などによる停電の時にも電気を使えることです。大きな地震や台風で停電して復旧に時間を要した、ということを聞いたことがあるかと思います。そこまででなくても、悪天候や積雪で数時間でも停電するということはあると思います。そうしたときに、蓄電池を一緒に設置しておくと、平時に蓄えておいた電気を使うことができるのです。

当然、蓄えておける電気の量には限りがあるので、いつまでも使い放題ということはありませんが、停電が復旧するまでの間、最低限の電気を使ってしのぐことはできるようになります。災害が多い日本では、そういう選択肢があることは安心材料になるかと思います。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせて使用するデメリット

一方で、蓄電池を組み合わせることによるデメリットもあります。ここでは3つ挙げます。

一つ目は、当然ではありますが蓄電池の設置費用が掛かることです。蓄電池そのものの購入費用に加えて、設置工事をするための費用も掛かるようです。蓄電池を設置する場合は、設置によるメリットがその費用に見合うかどうかを天秤に掛けてみる必要があります。

次に二つ目は、設置するスペースが必要になることです。家庭用のそれほど大きくないサイズのものもありますが、小さければその分、蓄えておける電気の量も少なくなります。設置できるスペースと蓄えておきたい電気の量を、これもやはり天秤に掛ける必要があります。

そして三つ目は、蓄電池そのものも経年劣化していくことです。自動車のバッテリーも定期的に交換しますが、同様に太陽光発電システムと一緒に設置する蓄電池にも寿命があり、使っていくうちに性能が落ちてきて、交換しなければならなくなります。

そのタイミングは太陽光発電システムと一緒という訳ではないため、今までのシステム構成で使い続けるためには、どこかで電池だけ交換することになります。当然、交換費用として新しい電池代、古い電池の処理代、そして工事費が掛かります。蓄電池を設置することを考える時は、こうした費用も頭に入れておくことが必要です。

太陽光発電と組み合わせる蓄電池の選び方

太陽光発電と蓄電池を組み合わせて使うことになったときに、注意しておきたい点についてもまとめます。まず、太陽光発電システムの設置のタイミングで蓄電池も設置する場合は、太陽光発電システムを設置してくれる業者が太陽光発電システムに合う蓄電池を選んですすめてくれるはずなので、製品同士の相性は心配する必要はないでしょう。

ただし、保証期間が太陽光発電システムとは別に設定されている場合があります。太陽光発電システムは蓄電池に比べて寿命が長い傾向にあるため、たとえば太陽光発電システムの保証期間は20年ですが、蓄電池の保証は10年で切れてしまう、ということもあり得ます。保証期間が切れた後はどのような対応になるのか、設置業者を通じて蓄電池のメーカーに確認しておくとよいでしょう。

次に、既に太陽光発電システムが設置されているところに蓄電池を追加して設置する場合です。太陽光発電システムを設置してくれた業者に相談するとよいと思いますが、太陽光発電システムの仕様に合わせた蓄電池を選ぶ必要があります。太陽光発電システムの規模に対して大きすぎる蓄電池では性能を充分に使い切れないうえ、その逆も問題になります。また、パワーコンディショナーの電気工事も必要になるでしょうから、それについても相談しておきましょう。

まとめ

太陽光発電システムと一緒に蓄電池を設置することで、自家製の電気の使い道が広がり、災害のときにも電気を安心して電気を使うことができる選択肢が増えることは大きなメリットです。一方で、経済的な面なども含めた費用対効果はきちんと見ておく必要があります。今回の記事が、そうした検討の材料になれば幸いです。

おすすめ関連記事

SEARCH

READ MORE

雪が多く降る地域で暮らしている人にとって、太陽光発電は雪が降る季節にどのような影響を及ぼすのか気になる人が多いでしょう。雪による影響は少なからず受けることになるので、前もって準備を整えておく

続きを読む

本記事は、これから太陽光発電を導入しようと考えている人におすすめです。パネルを設置する屋根の形状、角度、方角により発電効率が変化します。素人では詳しいことが分からないので、パネルを設置する前

続きを読む

自宅の大規模リフォームで、一時的に仮住まいの利用を検討している方もいるでしょう。しかし仮住まいをどのように探せばいいのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。できれば希望の仮住まい

続きを読む

住宅用太陽光発電パネルのほとんどが屋根に設置されます。そうなると気になるのが、自宅の屋根が発電に向いているかどうかではないでしょうか。発電量は屋根の形の影響を大きく受けます。いったいどのよう

続きを読む

株式会社橋本 住所:〒384-2104 長野県佐久市甲1603-1 TEL:0267-58-2265 定休日:不明 株式会社橋本は、長野県佐久市にある太陽光発電業者です。創業66年以上の歴史

続きを読む

近頃、地球環境を考えた取り組みが盛んに行われています。そんな中で、グリーン電力証書と言う言葉耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。そんな方たちの中にも、そもそもグリーン電力証書とは

続きを読む

CO2の排出削減が意識される中、温室効果ガスを排出しない発電方法として太陽光発電が注目されています。しかしその割に、太陽光発電の普及率は低い水準にとどまっているのです。なぜ太陽光発電の普及が

続きを読む

鳥たちが家の屋根にいるのは珍しい光景ではありませんが、太陽光パネルの近くを頻繁に飛び回ったり、出入りしたりしている様子が見えたら要注意です。鳥が太陽光パネルの近くに巣を作っているかもしれませ

続きを読む

火力発電所の減少が続いていることが、電力不足の一番の原因だといわれています。具体的な対策案は出ているものの、今後も電力不足は続くものと思われます。火力発電所では電気を備蓄できないデメリットが

続きを読む

日照時間が長く気温が低い長野県は、太陽光発電に向いています。また、長野県はゼロカーボンシティを宣言しているので、太陽光発電などを設置するための支援を国から受けています。これから始めてみようと

続きを読む