太陽光発電はなかなか普及していない?現状の問題点について解説!
CO2の排出削減が意識される中、温室効果ガスを排出しない発電方法として太陽光発電が注目されています。しかしその割に、太陽光発電の普及率は低い水準にとどまっているのです。なぜ太陽光発電の普及が進まないのでしょうか?そこで今回は普及しない理由、国内と国外の太陽光発電普及率、今後普及に必要なことなどについてまとめました。
太陽光発電がなかなか普及しない理由とは
SDGsへの関心が高まる一方で、太陽光発電の導入率はなかなか伸び悩んでいます。太陽光発電の普及が遅れている理由は何なのでしょうか?こちらで考えられる理由をご紹介します。
高い導入コスト
ひとつ目の理由は高い導入コストです。太陽光発電には太陽光パネルの代金、パネルを設置するための架台の代金、発電した電力を家庭で利用するために使用するパワーコンディショナーの代金、工事費用などが必要になります。これらを合わせると100〜150万円程度の費用が掛かってしまうのです。
加えて、夜間も太陽光発電で得た電力を使いたいとなると蓄電池も必要となり、合計費用は200万円近くになります。後々経済的メリットがあるといわれても、自動車の価格に匹敵するような設置費用を前に、二の足を踏むのは無理のないことです。
売電価格の低下
2つ目の理由は売電価格の低下です。政府は太陽子発電の普及を図るため、一定の価格で電力を買い取る固定価格買取制度(FIT制度)を採用してきました。しかし、買取価格は年々低下しているため、売電収入で初期費用を回収するのは難しくなっているのです。
発電量が不安定
3つ目の理由は発電量が不安定なことです。太陽光発電は曇りや雨の日になると発電量が大幅に減少してしまいます。発電量が減少すれば、不足分は電力会社から買わざるを得ず、電気代の削減につながらないのです。
近隣トラブルにつながる恐れ
4つ目の理由は近隣トラブルにつながる恐れがあることです。日当たりや景観の問題で近隣住民とトラブルになる可能性があること、パワーコンディショナーの駆動音に対する苦情が発生する可能性があることが挙げられ、家屋が密集している地域では使用することに不安が残ります。
自然災害リスク
5つ目の理由は自然災害です。日本は地震・台風・大雨・大雪といった自然災害に見舞われる確率が高い国であり、太陽光発電設備を設置しても、自然災害で破損するのではないかと心配になる方が多く、導入をためらってしまうのでしょう。
定期的なメンテナンスが必要
6つ目の理由は定期的なメンテナンスが必要なことです。太陽光発電設備は設置したらそれで終わりではなく、最高の状態に保つためのメンテナンスが必要。以上の理由から太陽光発電の普及が遅れているのではないでしょうか。
国内外で異なる太陽光発電の普及率
国際エネルギー機関(IEA)が発表した「国際エネルギー機関・太陽光発電システム研究協力プログラム(IEA PVPS)報告書」によると、日本の太陽光発電システムの年間導入量は世界第4位です。これまでの導入量を示す累積導入量では世界第3位であり、決して導入量が低い国ではありません。しかし、住宅用に限ると様子が変わってきます。
環境省が公表している「2019年度の家庭のエネルギー事情を知る」によると、太陽光発電システムが普及している世帯の割合は全国平均で7%です。もっとも高いのが九州の10%、もっとも低いのは北海道の1.5%です。つまり、日本は太陽光発電システムの導入が進んでいる国ではあるものの、一般住宅ではまだまだ普及の余地が残っているといえます。
太陽光発電の普及に必要なこと
太陽光発電普及のために必要なことは何かというと、1つ目はコストのさらなる削減です。以前に比べ太陽光発電の導入コストは大きく低下しています。しかしながら、それでも太陽光発電設備の設置には100万円以上におよぶ高額な出費がともなうものです。今以上に普及させるのであれば、コストを下げるための施策が必要でしょう。
2つ目は蓄電システムの低コスト化です。太陽光発電の効率を最もよくするには蓄電池が必須です。蓄電池があれば、太陽光発電で生み出した電力をいつでも使用でき、電気代の大幅削減が可能となります。
3つ目はマンションやビルの屋上を活用して太陽光発電設備を設置することです。マンションやビルの屋上であれば、ある程度面積を確保しやすく、騒音などの被害を軽減できる可能性があります。補助金や個人の意識だけで太陽光発電を今以上に普及するのは難しいかもしれません。しかし、低コスト化と設置場所の拡大により、普及を伸ばせる可能性があるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、太陽光発電がなかなか普及しない理由や現状の問題点についてまとめました。普及率向上のカギはコスト低減や住民トラブルへの配慮です。太陽光発電設備の生産や設置だけではなく、パネル・蓄電池の再利用やリサイクルなどを通じて太陽光発電全体のコストを下げること、まだ設置されていない建物の屋上を有効活用することで、太陽光発電の普及率を伸ばせるのではないでしょうか。
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