太陽光発電の仕組みとは?構成する機器についても知っておこう!

公開日:2021/10/15   最終更新日:2024/04/15


太陽光発電への関心が高まっています。この記事を読んでいる方の中にも、興味がある方は多いのではないでしょうか。一方、太陽光発電の仕組みがどうなっているかについて知っている人はあまり多くありません。今回の記事では、発電の仕組みから発電システムを構成する機器についてまとめました。しっかりチェックして頭に入れておきましょう。
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太陽光発電の仕組み

太陽光発電はどのようにして電気を起こしているのでしょう。太陽光発電の中で実際に電気を起こしているのは「太陽電池モジュール」と呼ばれる機材です。いわゆる太陽電池で、あの黒い板のことです。あの板状の機材の中に光エネルギーを電気エネルギーに変換するものが入っています。

住宅用や産業用で多く使われている「シリコン系」と呼ばれるタイプのものですと、中にケイ素の結晶を薄い板状にしたものが入っています。この結晶の中にはケイ素以外にも不純物となる金属の原子が含まれており、半導体と呼ばれるようです。

もし高校で物理を習った方なら、「原子の種類によって電子の数が違う」ということを覚えている方もいるかもしれません。結晶の中で電子が多いところと足りないところが生じているのです。ここに太陽光が当たると、それを埋めようとして電子が動き出します。これにコードを付けると電子がコードの中を移動していきます。

つまり「電気が流れた」という状態です。太陽光発電は、こうした電子の動きを使って電気を取り出しているのです。太陽電池モジュールは、こうした働きをする半導体の薄い板に電気が流れる回路を付けて樹脂などで固定し、保護用のガラス板と外枠を付けたものです。11枚の半導体の板が起こす電気の量は少ないですが、それを何枚も並べてつなげていくことで、家の中で使うことができるくらいの電気を取り出せるようになります。

なお、発電するモジュールのことを「太陽電池」と呼ばれますが、電気を蓄えるような機能はありません。あくまで太陽光を受けて、電気を起こす発電装置です。後述しますが、もしも太陽電池モジュールで発電した電気を貯めておきたい場合は、別に「蓄電池」を用意する必要があります。

太陽光発電システムを構成する機器

太陽光発電システムは、太陽電池モジュールだけでは動きません。太陽電池モジュールが起こした電気を家の中で使えるようにしたり、電力会社へ売電したりできるようにするための機械が必要になります。その代表的なものが「パワーコンディショナ」です。

大きな役割としては、太陽電池モジュールから送られてくる直流の電気を交流に変換することと、太陽光発電システムに何か障害が生じたときに、接続している電力会社の送電線網に影響が出ないように回路を遮断するなどがあります。もしも大災害などで電力会社からの電気が届かなくなったときに、自宅の太陽光発電システムで発電した電気だけを使うこともできるのですが、そうしたときの制御もパワーコンディショナが行います。

この他、太陽電池モジュールからの回路を束ねてパワーコンディショナへ送り込む「接続箱」や家の中に入ってきた電気を必要なところへ配分する「分電盤」(いわゆるブレーカー)、そして必要に応じて蓄電池を設置するようです。蓄電池は、設置する場合と設置しない場合があります。発電した電気をすべて売電する場合は設置しないうえ、災害時のことなどを考えて家の中に蓄えておきたい場合は設置します。これは太陽光発電システムの設置の目的によって決まるようです。

太陽光発電のメリット・デメリット

よくいわれているように、太陽光発電は気候変動問題やエネルギー問題の解決に貢献できることが大きなメリットです。そして、もっと身近なところで見ると、国のFIT制度(固定価格買い取り制度)によって、少し高い単価で電力会社へ売電できることで、うまくするとお金になるというメリットもあります。最近では、環境問題への関心の高まりの他、そうした理由からも太陽光発電が注目されているのです。

一方、デメリットとしては、発電するかどうかはあくまで天候次第なので、いつどれだけ発電できるかはわからないうえ変動するという点です。もちろん太陽が出ていない夜は発電しません。太陽光発電システムを設置するときに、ある程度の発電見通しは推計しますが、あくまで見通しのため、その通りに発電するとは限らないのです。したがって、充分な蓄電池を設置するなどしない限り、太陽光発電を設置したからといって、それだけで生活できるようになるわけではありません。

まとめ

今回は太陽光発電の仕組みを取り上げ、発電システムを構成する機材を紹介し、メリットとデメリットを説明しました。太陽光発電は社会の問題の解決にも貢献できるという点で、とても素晴らしい技術ですが、一方、とくに個人で取り組む場合はデメリットをどこまで受容できるかということも一緒に考えておく必要があるでしょう。この記事が太陽光発電をより知るためのきっかけになれば幸いです。

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