太陽光発電における電圧抑制とは?起きてしまう原因についても解説!

公開日:2021/10/01   最終更新日:2024/04/15


太陽光発電で発電していると、電圧抑制という減少に遭遇することがあります。よく晴れた発電に適した日など、発電しすぎて電圧を抑制しなければならないこともあるのです。今回の記事では、太陽光発電を始めるにあたって知っておきたい電圧抑制のことについてまとめました。あらかじめチェックして、原因を覚えておきましょう。
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太陽光発電における電圧抑制とは?

まず、「電圧抑制」とは何でしょうか。ここでは、太陽光発電で発電した電気の電圧をパワーコンディショナで下げることをいいます。世の中の電気で動くものは、あらかじめ想定された電圧があります。この電圧によって動くというように設計されているのです。これは電気を使う設備だけでなく、送電する設備でも同じです。

私たちが普段使っている電気も、決められた電圧で送られてきており、その基準よりも下がりすぎず上がりすぎず電力会社が調整しているため、ほぼ一定で送られてくるのです。太陽光発電は太陽の光の量に応じて発電量が変動します。そのため、パワーコンディショナで電圧が一定になるように調整しないと、家の中でその電気を使ったり、電力会社へ売電したりできません。

そして、電力会社の配電線に接続している場合、電力会社の配電線の電圧との関係も見ながら電圧を調整しているのですが、「これ以上、電圧を上げたら、配電線にも悪い影響を与えてしまう」というときは、電圧をそれ以上に上げないように抑制します。これが電圧抑制です。

電圧抑制が起こるということは、パワーコンディショナよりも家側では、電気の量を制限している状態のため、太陽電池モジュールが発電できるとしても、発電する量を制限している状態になります。それゆえ、電圧抑制は、できれば起こらない方がよい現象といえます。

太陽光発電の電圧抑制が起きてしまう原因

では、なぜ電圧抑制をしなければならないような状況が起こってしまうのでしょうか。太陽光発電はパワーコンディショナを通じて電力会社の配電線につながっています。電力会社の配電線は、もちろん他の家ともつながっていて、全体として先ほど触れた「決められた電圧」の誤差の範囲の中に収まるように電圧がコントロールされています。多少の変動なら電力会社で対応できるのですが、これが太陽光発電が密集しているようなエリアでは事情は変わってくるのです。太陽光発電は受け取る太陽の光の量に応じて発電量が変動します。

したがって、太陽光発電が密集しているエリアでは、太陽光の当たり具合によって太陽光発電の発電量の合計が大きく変動します。曇ってきて発電量が減ったときは発電所から電気を流し込んで電圧を上げる方向で調整すればよいのですが、晴れ渡って元気に発電し始めたときは、どこかに電気を逃がさないと電圧がどんどん上がってしまうのです。

こうなってくると、配電線網に流す太陽光発電からの電気を制限しないと、配電線網の中の電圧がどんどん上がってしまうことになりかねません。そうした際に、電圧抑制が起こります。そのため、自宅に太陽光発電を設置する場合、周辺に太陽光発電を設置している家がどのくらいあるかは、電圧抑制による売電量の増減に多少影響することがあるといわれています。

万が一、電圧抑制が起きてしまったら?

ここまで見てきたような太陽光発電の密集による電圧抑制は仕方がないことですが、もし万が一、それ以外の理由で電圧抑制が頻発していると考えられることがあれば、設置してもらった設置業者や電力会社と相談するのがよいでしょう。必要に応じて、電力会社へ相談しなければならない事項を設置業者からアドバイスとしてもらったり、電力会社でも状況を見て必要な策を講じてくれたりする可能性があります。

その他、パワーコンディショナの電圧に関する設定を変更することも考えられますが、下手に変更してしまうと家の中の電気製品に影響を及ぼすようなことにもなりかねないので、あくまで設置業者など専門家に意見を仰いだ上で実施するのがよいでしょう。

自宅の太陽光発電を電力会社の配電線に接続するということは、巨大な電力網と連携することになるという話なので、設置したときに想定したことと違うことが起こった結果として電圧抑制の頻発につながっているということも充分にあり得る話です。パワーコンディショナを見ていて、電圧抑制が頻発しているように見えたら、設置してもらった設置業者や電力会社に相談してみましょう。

まとめ

今回は、太陽光発電を始めると直面することがある電圧抑制についてまとめました。電圧抑制は、太陽光発電が密集しているエリアで一斉に発電量が増えたときなどに起こりやすいものです。配電線網の中の電圧を一定に維持し、電気製品を安全に使えるようにするための措置ですが、これが頻発すると売電量の減少につながってしまうこともあります。もし頻発するようならば、設置業者や電力会社へ相談してみるとよいでしょう。

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