DR補助金とは?仕組み・対象・メリットをわかりやすく解説

公開日:2026/02/24  

DR補助金は、電力需給のひっ迫や停電時の備えとして注目されています。また、再生可能エネルギーの有効活用にもつながるため、電力コストの最適化にもおおいに貢献してくれるでしょう。

そこで今回は、DR補助金の基本情報と仕組み・対象・メリットについてまとめています。導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

DR補助金の基本情報

DR補助金は、電力の安定供給と再生可能エネルギーの普及を目的としており、デマンドレスポンス(DR)に対応した蓄電池の導入サポートや購入費用の一部を補助します。

正式名称は「再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金」といい、実践装置としてもっとも多く使われているのが蓄電池システムです。

対象製品の補助金額

令和8年度のDR補助金についての詳細はまだ公表されていません。そのため、以下で紹介する対象製品の補助金額は、昨年度のものになります。

対象製品は、スマートPVマルチ(長州産業)・クラウド蓄電池システム(SHARP)・E1シリーズ(nichicon)・マルチ蓄電プラットフォーム(オムロン)などが挙げられ、補助額は蓄電池容量(KWh)によって変動します。

たとえば、SHARPの「クラウド蓄電池システム」の場合、6.5KWh=206,700円or210,600円、15.4KWh=580,800円or585,200円です。パワコンによっても大きく変わってきます。

計算方法は、1.蓄電池の初期実効容量(KWh)×3.7万円、2.条件を満たしたものに上乗せ、3.2つの合計/かかった費用の1/3/上限60万円の何れかが低い額の順で算出します。

2の条件とは、ラベルを満たす蓄電池・類燃性を満たす蓄電池・レジリエンスを満たす蓄電池・廃棄物処理法上の広域認定の取得を満たす蓄電池の4つです。これらの条件を満たしていれば、そのぶんの補助金額が上乗せされるでしょう。

DR補助事業の必要性

電力需要が増える一方、火力発電所の経年劣化や原子力発電所の一時稼働停止などで電力不足が懸念されています。さらに、昨今はAI技術の発展で、世界の電力需要量が過去最高になりつつある状況です。

電力需要が急激に増えれば、当然電力はひっ迫し、リスクも大きくなるでしょう。とくに日本は電力を生み出す資源のほとんどが海外にあるため、このような状況が続くと経済活動が停止してしまうだけでなく、人命にまで関わる恐れがあります。

この先も安定的な電力を確保するためにも、DR補助金事業による実証実験が必要になるでしょう。

アグリ型と小売り型

DR補助金は、アグリ型と小売り型に分類されます。申請の際は何れかのパターンを選択することになりますが、どちらを選んでも補助金額に大きな違いはありません。あくまで「電力需給のひっ迫時に活用できる電源を確保」に貢献するかを判断するための選択肢です。

また、条件も異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

以下、アグリ型と小売り型の特徴です。

アグリ型(蓄電池アグリゲーター型)は、所有している蓄電池でDRを行う事業者のことです。電力需給のひっ迫時や再生可能エネルギーの出力制御発令時などに適用され、補助金を受けるには指定された蓄電システムと専用HEMSの導入が必要になります。

小売り型(小売り電気事業者型)は、DRプログラムに参加することで適用されます。電気料金型DRとインセンティブ型DRの2種類にわかれているのが特徴です。

DR補助金を受け取るための条件

DR補助金を受給するには、5つの条件を満たす必要があります。それぞれ押さえておいたほうがよいポイントもあるので、事前に確認しておきましょう。

対象事業者

対象事業者とは、国が認めた事業者です。事前に登録している必要があるため、どの業者から購入しても補助金が受給できるわけではありません。

国が認めた性能を持つ蓄電池システム

SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)において、令和4年度以降に登録・発表されている製品が対象となります。対象の蓄電池システムは、ZEH Web内にある「蓄電システム登録済製品一覧検索」で確認できます。

対応可能な設備

対応可能な設備というのは、蓄電池によって地域の節電に貢献し、電力需給がひっ迫した状態でも自宅から遠隔操作できるかというものです。

HEMS等を設置した場合もDR対応になります。

蓄電システムの本体価格と工事費が目標価格以下

DR補助金で定められている「目標価格」より、蓄電池システムの本体価格と工事費の合計がマイナスでなければいけません。目標価格とは、13.3万円/KWh(蓄電容量)です。

目標価格を超えてしまうと、補助金が受けられないので注意してください。また、設備費・工事費・据付費は、蓄電池の設置に関わるものでなければ加算されません。

補助金支給交付前に契約していない

交付が決定する前に契約してしまうと、補助金の対象外になります。業者の場合、間違えるケースはほとんどありませんが、訪問販売などで補助金が受けられると説明してきた場合は要注意です。

DR補助金を活用するとどんなメリットがある?

DR補助金を活用すると、さまざまなメリットが得られます。事前に知っておくことで、賢く蓄電池を導入できるでしょう。

ここでは、主なメリットを3つと、押さえておきたい注意点を紹介します。

初期費用を抑えられる

最大1/3の設備費・工事費が負担されるため、初期費用を抑えることができます。また、投資回収までの期間を短縮し、導入ハードルを下げるといったメリットも得られるでしょう。

電力ひっ迫・停電時に備えられる

平常時の省エネ対策だけが導入メリットではありません。電力需給がひっ迫した場合や停電時でも蓄電池から電力が確保できるので、災害や停電時でも安心です。

工場や商業施設としての事業継承性の向上につながるのも、蓄電池システムを導入する大きなメリットでしょう。

再生可能エネルギーを有効活用できる

DRとして活用することで、充電放電が可能になり、再生可能エネルギーの有効活用と電力コストの最適化につながります。また、脱炭素や環境配慮への取り組みにも貢献するため、社会からの評価も高くなるでしょう。

押さえておきたい注意点

令和5年度補正「家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業」でも定められていますが、補助金を受けるには必ず交付決定通知を受け取ったあとに契約します。万が一通知を受ける前に契約してしまうと、補助対象外になるので気をつけましょう。

このほかにも、以下のような注意点があります。

1つ目は、ほかの補助金制度と併用できないことです。とくに公庫を財源とした地方自治体の蓄電池補助金は併用がむずかしく、利用したい場合は各自治体の確認が必要になります。

とはいえ、ほとんどのケースでは併用が可能です。条件に合った補助金であれば、さらに負担を軽減できるでしょう。

2つ目は、家庭用蓄電池の導入は、DRに沿って運用することです。DR補助金は、あくまでDRプログラムに参加している場合にのみ適用されます。

しかし、自治体によっては家庭用蓄電池単体の補助金制度を実施している場合もあるため、節電の取り組みがむずかしい方やDRプログラムの参加に悩んでいる方は検討してみてください。

3つ目は、電気代が増える可能性です。DRメニューによっては、基本料金や従量料金が高く設定されています。また、運用次第で電気代も増えるので、アグリ型や小売り型の選定が重要になるでしょう。金額だけで決定してしまうと失敗するので要注意です。

さらに、アグリ型・小売り型の一定期間の継続が求められ、途中でDR参加をやめると返還対象になる可能性もあります。導入後の運用も含めて、しっかり理解しておきましょう。

まとめ

DR補助金について、仕組みや対象となる製品、メリットなどをわかりやすく解説しました。

DR補助金は、近年注目されている蓄電池の補助金です。最大60万の補助金額に加え、国が認めた事業者・性能をもつ蓄電池システムが対象になるため、全国どこでも申請できます

しかし一方で、注意点があることもきちんと理解しておかなければいけません。

2025年度は、2か月ほどで補助金の枠が埋まってしまい、多くの希望者が申請に至らなかったといいます。2026年、DR補助金を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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